先日、ひき逃げ事故つまり救護義務違反の示談が成立しました

 


お金が絡むとややこしい、人の世はだから難しい・・・

おことわり:プライバシーの観点で若干設定を変えております




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これはもう1ヶ月程前になります、私のお手伝いしている会社の棚卸し

が長引き、深夜に及んだ事がありました。

まぁ、何とかかんとか終わらせて、翌日も通常勤務の為、皆早々と帰宅

したのですが・・・

 

翌日、社員の一人が、事故を起こした事が判明!

 

しかもその事故というのが、棚卸が終わって深夜3時位に、帰宅しよう

とある国道を走り、自宅方向へ向かう為に、交差点を右折したところ、

横断歩道上で急に右側から歩行者が現れ、ドーーーんとぶつけてしまっ

たらしいのです。

 

もちろん、その運転者(社員)はすぐに車を降りて、声をかけたという

のですが、その被害者の方、お酒が入っていたらしく、大丈夫と

繰り返すので、念の為携帯電話番号を教えた上で、結局、警察へ通報

する事もせず、もちろん救急車を呼ぶ事もせず、そのまま車で自宅を

目指して走り始めたというのです。

 

しかし、ものの十数分後、警察から本人に電話が入り、明日、必ず出頭

する様に言われたとの事でした。

 

どうも運転手(社員)が走り出してすぐに、歩行者本人から警察へ

はねられた と通報したらしいのです。

 

本人が警察に言った言葉は、一応言っておいた方が良いかと思いまして

との事らしいのです

 

その社員の車にはドライブレコーダーが付いていましたので、私は

急いで確認しました。

 

すると、事故が起きた横断歩道上で、ドーーんとぶつかり、歩行者は

一度ボンネットに乗り上がってから前に落ちている衝撃の映像が映って

いたのです。

 

しかし、歩行者用信号が完全に赤である事もはっきりと記録されて

いました。

救護義務違反という言葉は良く聞くと思いますが、この救護義務とは、

どんな理由があっても負傷者がいた場合、適切な応急処置や、最低でも

救急車を呼び、同乗し、受付では無く、医師へ引き渡すまでが厳密に

いえば義務となる為、

もし相手が負傷していたら大変だ!

ひき逃げになってしまう!

と思い、ドライブレコーダーのSDカードを持って、私がその社員を

連れて担当の警察署にすぐに出頭致しました。

 

警察では、すぐに3名程の警察官が対応してきましたが、ドラレコ映像

を見た警察官は、がらりと険しい表情に変わったのです。

 

まあ無理も無いでしょう、相当な感じでぶつかっていますから・・・

私は被せる様に、歩行者の信号は赤であり、飛び出してきている事を

強調し、会社としても、この事故に関しては歩行者の方に誠心誠意責任

を持って対応するから、直接やり取りさせてくれるよう頼み倒しました

 

幸い、その時点ではまだ、歩行者から怪我とかの申告は警察に入って

ないようで、会社のバックアップに多少信用を高めてくれたのか

その場で歩行者と連絡をとってくれて、直接やり取りの了解を確認の上

相手の方の連絡先を教えてもらう事ができました。

 

帰社後、私はすぐに相手に電話をし、状況を確認したところ、足が痛い

ので病院へ行く、という事で、私も早く行ってくれるよう勧め、後日、

連絡の上訪問する事を約束したのでした。

 

1週間ほどたち、アポを取った上、その歩行者宅を訪問すると、相手は

別人の様に変貌していました・・・

最初の電話の時は、ちゃんと対応してくれればいいですよ、別に事を

荒立てるつもりはありませんから、と、話が通る印象だったのですが

その時とは一変し、自分は事故の時、大丈夫とは言っていないし、

行っていいとも言っていない、これは救護義務違反ですよね?

と言い出したのである。

 

この方、年齢は20代後半(伏せます)の男性で、お仕事は夜のサービス

系(伏せます)という事なのだが、本人が言うには、結構売れっ子で

今の時期は月100万円以上稼ぐのだといい、しかし足の具合が良く

ないので仕事に行けず、3ヶ月以上かかりそうで参っているというのだ
(診断書を拝見したが、骨折や明確な負傷は無いものだった)

なるほど、どうやら、どこからか入れ知恵とかが入ってきたのだろう

しかし参った、本人の言い方から推測すると、どうも300万円以上の

示談金を考えている様に思えるが、とてもそんな金額は出せない。

 

しかもこの方、知人からは正式に、警察には診断書を提出した方が

良いと言われていて、考えている、とも言うのである。

事故で負傷し、診断書を警察に提出されると、「人身事故」扱い

となり、警察での事故の取り扱いが明確に変わる。

現時点までは、一般事故(俗に言う物損事故)扱いなので、警察はあれ

以上介入せずに、当人同士での対応を行っている状態なのだがこれが

人身事故扱いに切り替わるという事は、調書を取り、現場検証を行い、

当然だが今回のケースは確実に「ひき逃げ」つまり救護義務違反

としての適応となる。

救護義務違反となれば、運転者はただでは済まない、最低でも違反

点数35点(欠格期間3年)、一般的に罰金50~60万円
(法律で100万円以下)

なにより、ひき逃げとなれば会社としても世論的に解雇せざる負えない
(ちなみに、人身事故扱い云々は、保険支払いには全く関係ない)

 

これは困った・・・・

 

どうすればいいのか・・・私には良い考えが浮かばず、正直いってもう

駄目だと思った。

 

がっくりくる中、出来るだけ毅然と振舞いながら、とりあえず、

診断書提出だけは待ってもらい、より良い対応を上司に相談する事を

申し入れ三日後に再度訪問させて頂くことでその日は退散

したのでした。

 

翌日、社長に話したが、社長も頭を抱えてしまい、

諦めムードになる中、必死になって対応策を模索するなか、再訪問前日

となった。

ほんとうにもう無理だなと諦めた時、何かが頭の中で切り替わった。

 

この事故が人身事故となると、任意保険会社からもドライブレコーダー

映像の提出を求められる事になるし、警察調書も行く事になる

すると、歩行者が赤信号で横断しての事故という事が明確になり、

そうなると過失割合は最悪7:3となるであろう。

 

これ、車は3で歩行者が7である(歩行者が7割悪いという事)

 

そうなってしまうと、被害者請求という形に切り替わってしまい、

歩行者の方は、怪我が完治してから、保険請求を行う形となり

その間は全ての費用が本人で立て替える事になるだけでなく、

自賠責の120万円を超えた場合、超えた分に対してではなく

総額に対しての過失割合計算になるので、病院代や休業補償
(請求できるか疑問だが)

全ての総額の3割しかもらえない可能性が出てくるのだ。

となると、この歩行者、大赤字になる可能性があるわけで、診断書を

提出して救護義務違反で運転手が再起不能になったとしても

3ヶ月も引っ張ってしまうと

歩行者本人は赤字になる可能性が大きい・・・

 

これを回避するもっとも手堅い方法は、事故はこのまま

一般事故受け付け

のままにして、自賠責の120万円以内に収めるのが最良で

仮に早期に病院を終え、治療費が50万で済めば、

残り60万円を慰謝料などとして交渉も

可能であるからだ。

 

これしかない

 

この角度から行けば、何とかなるかも知れないとギリギリで閃きました

 

約束通り、歩行者宅を訪問し、歩行者信号が赤である

ドライブレコーダー映像もある事も含めてこれらの事実をはっきりと

話し、もし、このままの形で穏便に済まして頂けるなら、誠意として、

本人からお詫び金という形で領収書無しで20万円別にお支払い

させて頂きたいと思います、それがこちらでの限界ですが

いかがでしょうか?

 

と申し入れ

言いくるめたとか後々なりますと困りますので、1週間後にまた

参ります。

どうかお知り合いの方にもアドバイスをもらって下さい

また、〇〇様ご自身でもお調べになられて下さい。

これが一番、ご損なさらない方法ではないかと思われます

私共も助かりますし、お互いに宜しいのではないでしょうか?

 

と1週間後の再訪問を約束し、歩行者宅を後に致しました。

1週間後、歩行者宅に伺うと、もう足は引きずってはおらず

来週で通院も終わり、仕事にも復帰できるとの事。

20万円と引き換えに、人身事故扱いにはしない旨の合意書を交わし

あとは保険会社の対応という事で一件落着となりました。
(本当によかった)

 

運転者(社員)は、今回の事で【報告義務】交通事故があったときは

当該車両等の運転者は、直ちに最寄りの警察署などの警察官に当該

交通事故が発生した日時及び場所などを報告しなければなならない事を

怠ったやっかいさと、救護義務違反をしてしまう恐ろしさを身をもって

知った様で、そういう意味では、彼にも、私にも、貴重な経験となった

大事件でございました。

 

所々の設定を、実際とは変えた為少し変な文章になってしまいました事

を、お詫び申し上げますm(_ _)m

とにかく、事故を起こしたら、どんなに軽くても必ず警察に電話する事
(警察が到着した時に相手がいなくなっていても全然OKです)

そして、ぶつかってしまったら、相手が大丈夫と言い張っても

救急車を呼んでしまう事が大切です。

微妙な場合でも、絶対にその場から行ってしまう事はせず、最低でも

警察が来るまで動いてはいけません。

もし相手がいなくなっていても、貴方が逃げていない証明になります。




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