バスの運転士という職業(路線バスと観光バス)実態


バスの運転士という職業(路線バスと観光バス)

この職業に就くには、第二種大型自動車免許が必要で

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現在は教習所で取得する事が出来る。

教習所の場合、普通免許からで、おおむね50万円ほどかかる。

しかしながら、それを乗り越えてでも、バスの運転士に憧れる方もそれなりにいらっしゃいます。

だが、せっかく希望して就職しても、挫折する割合が多いのです

なぜか?

その前に観光バスと路線バスの仕事の実情を見てみましょう。

「路線バス」
決まったコースを決まった時間(ダイヤという)で繰り返し運行
・早番=始発から14:00位
・遅番=13:00位から終バス
・長勤=8:00位から22:00位で、間に4時間休憩があり無給
○休日は、土日祝も盆正月も関係なしで、月に6日前後
○月収=25万円前後(総支給額)※年収300万円~360万円

「観光バス」
コースは毎回違うが、年間を通すと、似たようなパターンの繰り返し
・時間はまちまちだが、13時間から15時間は普通
ただし、観光バスの場合、乗客を目的地に運んだら、観光が終わるまで待機休憩でバス内でなんでもできる。
○休日は、月に2日から3日(法律で13日連勤が認めらている)
○月収=30~35万円前後(総支給額)※年収360万円~450万円

いかがだろうか、けして条件が良いとは言えまい・・・

しかし、考えようによっては、普通の運転業務と違い

荷物(人だが)は勝手に乗り降りしてくれるので、楽といえば楽

とも言えなくもない。

しかし、退職の理由は、就業条件ではなく、実は人間関係が多い。

日本の会社では、不条理なしきたりなどが多いのですが

何故か、バス運転士の世界では極めて問題が多いのです
バス運転士は早い者順という掟がある

分りやすくいうと、1日でも早く入社した運転士には

何年たっても追い抜けないという理不尽な風習があり

厳格な上下関係を強いられるのである(年齢など関係なくである)

一つの例を挙げると、1号車には、より古い運転士(優秀さではない)がなり、数台組で運行した場合、その日の食事などは

1号車がハシをつけなければ、他の者は食べられないのである。

もし、いろいろなシーンで理不尽を感じ、このしきたりに逆らおうとしたり

何か物を言おうものなら、全ての先輩社員から無視や

嫌がらせが始まり、台数組の仕事等では、わざと振り切って

置き去りにして困らせたり(信じがたいが・・・)のいじめが

業界の常識となっているらしい(会社側も知っている)

筆者の知人で、某大手バス会社の管理をしていた方は、

こういった悪習慣を無くさない限り、運転士の成り手が減るばかりではなく、優秀な人材は来なくなると嘆いていた。
(結局業界は本気で直そうとはせず、彼の言っていた通り、業界

全体が万年人材不足となってしまっている※入社→すぐ退職の離職率も非常に高い業界である)

バス会社(業界全体)は、この辺りを真剣に考え

外から来やすく、働きやすい環境を本気で構築しなければ

人材の安定は得られないであろうし、

普通免許さえ取らなくなってきている最近の風潮であるのに

手間や50万円のお金を投資して、バスの運転士になろうと

する人も居なくなるだろう。

ちなみに、養成制度を設けている会社も増えたが

これは、入社後に、会社負担で大型二種免許を取らせてくれる

制度であるが、決められた年数を勤務しないで退職した場合
(一般的には3年以上)

全額を現金一括で返済しないといけないので注意が必要である。

これからバス運転士として働きたいと思われている方は

この事実を理解した上で、そうではない会社(大小に惑わされず)

出来るだけ優良なバス会社を見抜いて入社して頂きたい限りである

名の通ったバス会社だからと、勝手な妄想は悲劇を生むだろう。

また、世の中の法則であるが

成り手不足が深刻になればなるほど、待遇や環境が良くなる
(するしかない)

ので、その様な時が来るまで、静観するのも一つの対抗法でもある。(これは介護業界にも言えるのだが)

会社側としても、馬鹿にならない経費を使って

募集、採用し、やっと確保した貴重な人材も、

現場でどんどん退職に追いやられてしまっては何をやっているのか分からないであろう・・・

特に、場合によっては大惨事に直結する「公共交通機関」の世界では

優秀な人材が集まってくる(来たくなる)「待遇」「環境」の確立が

絶対的に必要ではないだろうか。

近年、バス関係は、重大事故も多く発生してしまい

運行管理も厳格化してきているが

こういった部分の改善は、ほとんどなされてはいない。

また

路線バスでは、小型バスでの細い道の運行路線が増えていて
(コミュニティバスも民間請負での運行がほとんど)

忙しいのは通勤時間帯のみ、それ以外は運行本数を減らしている為

中抜き休憩スタイルでの長時間拘束が当たり前である。

そういったところを考慮すると、離職率が高い事もうなずけよう

現在のバス会社は万年人材不足の為、基本的には売り手市場となっているので、この業界に就職を考えている方は

よく比べて、自分の感覚に出来るだけ合った会社を見つける

というスタンスで「強気」で臨むのが良いでしょう。

※完全自動運転化は、まだまだ先の事でしょうから(おそらく)

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